奥秩父前衛 木賊ノ頭(1780m)、丸山 (1670m) 2010年12月5日

所要時間 6:25 林道入口−−6:51 地図に無い林道−−7:30 木賊ノ頭−−7:41 1670m肩(刈払い終了)−−7:59 1720m峰−−8:05 1580m鞍部−−8:21 丸山−−8:32 1580m鞍部−−8:46 林道−−9:04 林道入口

概要
 シャトレーゼスキー場より往復。木賊ノ頭まではスキー場沿いの尾根を登り、木賊ノ頭から丸山までは県境尾根を歩き、丸山からの復路は鞍部から谷に沿って進み、途中で林道に乗り換えた。木賊ノ頭手前から県境の1670m肩までは立派な道があるが登山道ではなく筑波大演習林の作業道らしい。1720m峰から丸山にかけては低い笹が茂って踏跡不明瞭。周辺の破線もほとんど廃道状態でワイルドな尾根歩きが楽しめる。木賊ノ頭はてっぺんは樹林で展望は無いが周囲は開けた箇所あり。丸山は南方向が開けて南アの展望が良い。



 信州峠の西側にある横尾山のさらに西側に木賊ノ頭という山名事典記載の山があり、さらに西の飯盛山との中間付近には丸山がある。信州峠から往復するのが無難な選択だが水平距離が長いこと、行きも帰りも横尾山を越えることになり無駄な労力が多いのが難点だ。地形図を見ると木賊ノ頭と丸山間の鞍部近くまで北側から林道が伸びており、これを利用できれば大幅に労力が削減可能だ。ただ、おそらくはこの道は基点であるスキー場付近でゲートがあって一般車が入れない可能性が高いだろうと予想した。その場合、林道歩きで1時間程度かかりそうで、信州峠発とどちらが楽かは微妙な選択だ。

筑波大演習林入口のゲート ゲート近くの看板

 女山から下山し、買い物をしてスキー場に向かう。案内看板で簡単に到着、林道入口も割りと簡単に分かったが、予想に違わずスキー場を過ぎてすぐに施錠されたゲートがあった。出ていた看板によるとこの林道は筑波大演習林用で営林署の管轄ではないようだ。まあ、一般者にとってはどちらでも同じだが。明日は木賊ノ頭だけに登るか、それとも丸山も登るか。丸山は西側の平沢牧場から往復した方が効率が良さそうで、スキー場から木賊ノ頭しか登らない場合と丸山に登る場合は距離で倍くらい差がありそうだし・・・。悩んだが基本的に丸山にも足を延ばすことにした。木賊ノ頭のみならスキー場ゲレンデ内に書かれている林道をできるだけ詰めて登るのが一番楽そうだったが、ゲレンデは人工の雪がうっすらと積もっており、機材格納庫のシャッターが半分開いていて夜間に人工降雪機で雪作りをしそうな雰囲気がプンプンだ。早朝だと作業中の可能性が高く、そんな中を登るわけにもいかないのでゲートから出発するなら丸山も・・・と考えたのも判断材料だ。予想通り夜中から雪作りが始まり、早朝もずっと機械が動いていた。

尾根末端から歩き始める 西側はカラマツ植林
一時的にゲレンデに出る ゲレンデから見た朝焼けの八ヶ岳

 ラジオでは野辺山の最低気温は-6.8℃。今日は冷えたが日中はかなり気温が上がる予報。朝飯を食って林道を僅かに下って尾根末端から尾根に取り付く。西側はカラマツ植林、東側は自然林で、唐松の下は細かい潅木が多く自然林側の方が歩きやすい。1500m肩を通過すると左手からゲレンデが延び最上部のリフトが登場、まだこのゲレンデの雪作りは行われていなかった。ゲレンデは開けていて八ヶ岳の展望が良かった。ちょうど八ヶ岳の稜線に朝日が当たっていた。

ゲレンデを通過し尾根を登る 1540m峰
1540m峰北側鞍部 1571.6m三角点峰手前の林道
1571.6m三角点峰南東鞍部から尾根を見上げる 尾根直上より東にずれた斜面を登る

 1540m峰への登りは下草が無い樹林帯だったが、1540m峰上部は低い笹が茂っていた。邪魔になるほどの高さや密度ではなく乾いていたので支障なし。下りになると笹が消えて1571.6m三角点峰へ登っていくと地形図に無い林道に出た。この林道は三角点峰の北側を巻いて南東側鞍部で2つに分岐していた。目的の尾根はその中間の尾根だが出だしは低い笹であり、少し東に寄ったところは笹が無いのでそちらから斜面に取り付き、浅い谷を登っていく。

尾根に乗る。かなり急 もう少しで1700m肩

 広い尾根に出ると笹は無いがかなりの急傾斜で、所々では尾根上を直進できず南に微妙に巻いたりして木に掴って高度を稼いでいく。踏跡があるような無いようなだが藪が無いのでどっちでも構わない。

1700m肩 1710m峰から見た木賊ノ頭
1710m峰から見た中ア 1710m峰から見た富士山
1710m峰から見た浅間山 1710m峰から見た野辺山電波天文台
1710m峰から見た南ア(クリックで拡大)
1710m峰から見た北信の山(クリックで拡大)
1710m峰から見た丸山

 標高1700mに達すると傾斜が緩んで肩に出るが、樹林が切れて展望が開ける。南アルプスがずらりと見えていた。そして木賊ノ頭から飯盛山にかけての県境稜線もだ。地形図を見て丸山の位置を確認、意外に近くてこれだったら足を延ばした方がいいだとうと決心した。肩から先はそこそこ明瞭な踏跡があった。

灌木藪が時々登場 木賊ノ頭山頂が近付くと明瞭な道が登場

 鞍部から木賊山への登りにかかると稜線上で所々でツツジのような潅木藪が登場、獣道なのか踏跡なのかはその中に突っ込んでいるがこの潅木は枝が固く抜けるのに苦労するので右や左に迂回しながら登っていく。やがて左から登山道と呼んでもいいような立派な道が合流、北斜面をジグザグに登っていくと最初のピークに到着。でもまだ前方に同じくらいの高さのピークが見えている。GPSの電源を入れて木賊ノ頭までの残距離を確認するとあちらのピークが正解だった。

木賊ノ頭山頂 木賊ノ頭南直下から見た丸山

 水平な尾根を歩いてピークに到着、GPSの表示は確かに木賊ノ頭だが標識は皆無だった。地形図記載の山ではないのでしょうがないか。周囲はさほど背は高くないが落葉樹林に覆われて展望は悪かった。しかし少し下った場所では樹林が切れて再び南アルプスのパノラマ展望を楽しめた。

県境稜線上は刈り払われた道が続く 1670m肩で道は西に下ってしまう
県境は踏跡程度にグレードダウン 笹の尾根を進む

 明瞭な道がはたして県境尾根まで続いているのか心配だったが、道なりに進んでいくと自然に県境稜線を西に下るようになっていた。地形図では県境は破線があるのでこのまま飯盛山まで道が続いているのかもしれない。順調に下っていき1670m肩で尾根が左に屈曲するところで明瞭な道は県境を外れて西に下ってしまい、県境は笹が出てきて踏跡程度になってしまった。どうも今までの道は筑波大演習林内の作業道のようで登山道ではなかったようだ。道の濃さは昨日のフシノソリ〜夕日アタリ間の県境尾根と同レベルに収まり、この付近はこれがデフォルト植生のようだ。これでも歩く人は多いようで目印が多く、真新しい赤い紙テープが良く見られた。紙テープは雨に弱く、数度の降雨で溶けて地面に落ちるが、このテープは全くガビガビになっていないのでまだ雨に当たっていないと見える。となるとこの週末に登った人の物だろうか。なお、私のザックには目印用に紙テープが常時入っている。

1700m峰 露岩の1700m峰
1700m峰から見た横尾山 1720m峰に登る
1720m峰 1720m峰から見た丸山

 1650m鞍部からは登りにかかり、最初の肩付近から再び低い笹原を行くようになる。1720m峰の一つ手前で露岩のある小ピークがあり、ここで東側の展望が開けて横尾山が良く見えていた。1720m峰はほぼ樹林が切れてもっと展望が良かった。

赤い紙テープの目印が続く 1720m峰西側はカヤトの原
標高が落ちると笹原に 笹に覆われた1580m鞍部

 1720m峰から1690m肩にかけては明るく開けたカヤトの原が広がり気持ちがいい場所だ。もちろん展望もいい。カヤト地帯が終わると膝丈程度の低い笹が続くようになり踏跡も不明瞭化し、1650mを切ると尾根が広がって尾根中心がどこなのか分からなくなって適当に下っていく。ここも目印があるが広範囲に分散していており、みんなバラバラのルートを歩いているらしい。ま、どこも笹で同じようだし。

 1580m鞍部は地形図では南北に走る破線が描かれているが、現場ではそのような道も踏跡も皆無、県境東西方向も踏跡無し状態だった。帰りはここから北の谷に沿って下る予定だが道があるだろうと考えていたのが大外れで笹原歩きだ。でも谷を下っていけばいいので尾根歩きと違って分岐で間違えることはないし、適当に歩いて林道に出ればいいや。まさか林道はあるだろう。

丸山への登りも笹原 ずっと笹原が続く

 丸山への登りにかかるが少し笹の背丈が高くなり抵抗感が出てくる。この尾根も広くて目印が分散しているがさっきよりは踏跡らしき筋ははっきりしている感じがする。全く筋が無いところより少しでも筋があるところの方が格段に歩きやすい。標高1600mに達しても右から道が合流することはなく、この破線も廃道だった。

丸山山頂東端も笹原 丸山山頂
丸山から見た北岳 丸山から見た甲斐駒

 1670m肩に乗ると丸山山頂部に到着、ここは東西に長いピークで山頂がどこなのか不明確だ。とりあえず最高点を探すために下りになるまで進んでみることにする。すると僅かに鞍部があって緩やかに登り、1670m等高線の西端が一番高いように思えた。ここも地形図記載のピークではないので標識類は皆無だった。丸山山頂部の南斜面は牧場の一部なのか樹林が切れて草付きとなっていて展望が良かった。

1580m鞍部から北に下り始める この先から水が流れ始める
沢に沿って歩きやすい所を下る 林道出現

 帰りは1580m鞍部まで戻り、北側に下って谷を延々と歩いた。谷を行けばいいので目印は不要だが、青いテープの目印が続いていた。やがて沢が流れるようになるが水量は少なく、右岸、左岸と歩きやすい岸を選んで適当に進んで行く。なだらかで広い谷で滝は皆無だった。

左が本道、右が下ってきた林道支線 轍の水たまりは凍っている
何の建物?

演習林の地図。等高線が無いので分かりにくい

 地形図では1470m付近が林道と谷が一番接近している箇所で、この付近で林道に乗り換えるのが一番効率がいいだろう。標高が1500mを切ると谷がかなり広がり、高度計を見ながら1480m付近で右の小尾根に取り付いて乗り越えると地形図に無い林道が出現した。おそらく、これを下ればゲートのあった林道に合流するだろう。案の定、100mも進むともっと立派な林道に合流、沢の合流地点で建物がいくつか建っていた。あとはこの林道を下るだけで、凍った水溜りを割ったりしながら歩きゲートに到着した。

 

 

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